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鈴語庵の土鈴

 当館の「出会いの部屋」では、阿南哲朗コレクションである土鈴1,150個を展示しています。久留島先生に師事して童話を語り、童話を書いた阿南哲朗(1903~1979、到津遊園地の園長を歴任)は、各種の郷土玩具を蒐集しましたが、中でも土鈴が大好きで、自分の四畳半の部屋の天井の柱に全国各地の土鈴1千余個をぶら下げていました。その部屋を訪ねた久留島先生が、「鈴を振れば音がする。音のあるところに躍動がある、阿南君しっかりやれ」と、「鈴語庵」(鈴の下で語る庵)という名前を付けてあげました。
 
 昭和12(1937)年8月、阿南は久留島先生を初代学園長として迎え、子どもたちの健康と情操教育に役立つ夏期林間学園を到津遊園地に開設し、児童教育を行う動物園を目指しました。今年の8月には、その到津の森公園の林間学園が開園80周年を迎えます。久留島精神を受け継いでいるその「継続の歴史」に敬意を払い、久留島先生と北九州とのご縁をより多くの人に紹介するため、当館では鈴語庵の土鈴を展示しているのです。

 鈴語庵の土鈴一つ一つには、阿南の手書きのメモがあり、それは産地であったり、贈られた友人の名前だったりします。久留島先生や火野葦平から贈られた土鈴をはじめ、森鷗外文学碑鈴、野口雨情記念碑鈴、そして松本清張の『或る「小倉日記」伝』(第28回芥川賞受賞作)のモデルになった田上耕作が創制した鈴など、土鈴一つ一つが物語を持っており、個々の叫びが放つ存在感は、見る人を圧倒します。鈴語庵の土鈴は、一冊の本(『鈴語庵の土鈴―阿南哲朗コレクション―』)としてもまとまっておりますので、来館の際はぜひご覧ください。

 

『鈴語庵の土鈴-阿南哲朗コレクションー』

久留島先生から阿南に贈られた瓦鈴

田上耕作創制鈴

 

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